アタラント号
1934年(1940年)

ジャン・ヴィゴ監督

120x160cm  リトグラフ  布裏打ち

コメント
夭折の天才作家ヴィゴのポスターは、短編のポスターは発見されておらず、長編の「新学期操行ゼロ」と「アタラント号」のみが残されています。 「アタラント号」は当初ヴィゴの意に反し、短く編集されて「過ぎ行く艀」という題名で1934年に公開されました。 その時120x160のサイズのポスターが2種類制作されています。 一枚はモーリス・ジョベールの歌が描かれたもの、もう一枚はミシェル・シモンのジュール親爺が描かれており、タイトルはそれぞれ「Le chalante qui passe」(過ぎ行く艀)と入れられました。 映画は不評で短期間で打ち切りとなります。 1940年に初めてタイトルが「アタラント号」となり再公開されます。 ポスターはジュール親爺のポスターのタイトルを「L’atalante」と変え、ジュール親爺も描き直されて作られました。 しかしここでも短期間での上映となってしまいます。 戦後、長い間公開禁止となっていた「新学期操行ゼロ」がアンドレ・マルローの尽力で初めて公開され、ヴィゴが再評価されます。 遅ればせながら「アタラント号」も晴れて名作の仲間入りとなりました。 したがって「アタラント号」の120x160のポスターは3種類あり、どれもオリジナルとされています。 このポスターはタイトル変更後の1940年のポスターで、「L’atalante」の名が入っている唯一のポスターです。
コンディション
未使用品ですが、古い時代の裏打ちポスターのため、主に下部のマージン部分にシミが出始めています。 でも元々アンティーク感の強い素材なので、それほど気にならないかと思います。

リファレンス
こちらがタイトルが異なる1934年初公開時のジュール親爺のポスター。 「フランスポスター〜1959」のカタログに在庫がありますので、ご参照ください。